[メイン3] 里見 灯花 : ────そこは、夕日が指す暁の街並み。
[メイン3] 里見 灯花 : ────そこは寂れた遊園地の跡地もある、ただ誰もいない、空虚な場所。
[メイン3] 里見 灯花 : 例えるのであれば、夢の跡地……なんて。
[メイン3] 里見 灯花 : それを示すかのように。
[メイン3] 里見 灯花 : ふわり、ふわり。
[メイン3] 里見 灯花 : 廃れたビルの一つから、ゆらりゆらりと揺れながら落ち行く影一つ。
[メイン3] 里見 灯花 : そこに在るのは、傘を差した少女。
[メイン3] 里見 灯花 : メリー・ポピンズよろしく、愉しげに笑いながら空を描き、空から地へと。
[メイン3] 里見 灯花 : すた。
[メイン3] 里見 灯花 : 砂埃を軽く上げ、緩やかに着地する。
[メイン3] 里見 灯花 : 「…………」
[メイン3] 里見 灯花 : 「くふっ」
[メイン3] 里見 灯花 : 「くふふふっ!」
[メイン3] 里見 灯花 : 口に手を抑え、少女はけらけらと笑う。
[メイン3] 里見 灯花 : 「これが魔法少女……興味深いにゃ~!」
[メイン3] 里見 灯花 : ぱちん、傘を閉じ。
[メイン3] 里見 灯花 : ”ここ”に導かれた経緯を、海馬から引きずり出し────
[メイン3] 里見 灯花 :
[メイン3] 里見 灯花 : それは、一枚の手紙だった。
[メイン3] 里見 灯花 : 病室にいるわたくしに届いた、一枚のそれ。
[メイン3] 里見 灯花 : 中に書かれていたものは、実に簡素で。
[メイン3] 里見 灯花 : 【一人になるまで争え 残った者には『希望』を】
[メイン3] 里見 灯花 : 戦うなんて、非生産的で意味が無いと思っていたわたくしだったけれど。
[メイン3]
里見 灯花 :
その『希望』という文字。
そして【備考】に書かれていた言葉に惹かれたわたくしは。
[メイン3] 里見 灯花 : その手紙にある、戦の場に駆り出されたわけだけど────
[メイン3] 里見 灯花 :
[メイン3] 里見 灯花 : わたくしに与えられた力は「魔法少女」。
[メイン3] 里見 灯花 : どういうものか、どういう存在なのかは白い獣のようなものに聞いてみてなんとなくわかった。
[メイン3] 里見 灯花 : まあ、そんなことは主題じゃない。
[メイン3]
里見 灯花 :
この力はすさまじいエネルギーを保有している。
そして、「戦」に参加する人々もこれに見合う力を持っており…エネルギーが凄まじいわけだ。
[メイン3] 里見 灯花 : そんな人たちと戦って、この世界がどうなのか…知ってみたい…!
[メイン3] 里見 灯花 : そして、願わくば…希望のエネルギーを人々の苦しみを救済する物へと昇華してあげたい……!!!
[メイン3]
里見 灯花 :
そう、それがわたくしの願い。
その道中の犠牲なんて、わたくしが知覚するものではないにゃー。
[メイン3]
里見 灯花 :
もっちろん、わたくしが負けるはずなんてないからね。
現にこうして、与えられた力は使いこなした。
[メイン3] 里見 灯花 : 「んふふふ」
[メイン3]
里見 灯花 :
楽しそうに、傘で宙を描き。
そこから放たれる、虹色の光線。
[メイン3] 里見 灯花 : 「────この戦い、わたくしの勝利で飾ってあげるからね」
[メイン3] 里見 灯花 : スカートを軽く上げ、淑女のように。
[メイン3] 里見 灯花 : それと同時に────
[メイン3] 里見 灯花 : 灯花の後ろが、虹色の爆発で大きな音を鳴らした。
[メイン3] 里見 灯花 :
[メイン3] 里見 灯花 :
[メイン3] 里見 灯花 :